先代の佐藤長吉・シゲ夫妻が収集した明治〜昭和前期にかけての横手押絵のコレクションです。

押絵とは…
 江戸時代から昭和初期の頃まで武家の子女の手習いとして、また呉服屋の余布の活用として作られた、布製の平面的な人形のことです。伝承品は出羽地方(山形・秋田)、信州松本地方などいくつかの地域に多く残っています。押絵の題材は、歌舞伎や御伽噺の場面を題材にしたもの、縁起物、時事物などです。
 ここ横手に伝えられている押絵は中綿を入れて立体感を出し、竹串をつけて台に差し込むようにして飾るタイプです。以前はお祭りの時によく飾っていたそうですが、最近ではひな祭りの時に家族で楽しむ程度となってしまいました。


       小栗判官       槍を持った武士    武 士


     

   加古川本蔵と戸無瀬 
        加藤清正 
太田道灌と娘     槍を持った武士

 
         塚原卜伝  七つ道具を持った弁慶 加賀見山旧錦絵(竹刀打の場)

          神功皇后と武内宿祢            忠 臣 蔵

  明治の兵隊
   スティーセルと乃木大将      明治38年征露記念

滑稽な様子       

                


横手押絵とは…
 昔、横手の呉服屋さんの手代や番頭さんたちが、長い冬の間に余布で作ったり、家庭での女子の手習いとして作ったものが横手押絵として伝承されました。横手には地主が多く住んでいたこともあって歌舞伎興業が盛んでしたし、今は幻となった横手織などを手がける織物工場も多数存在していたので、押絵の文化が花開いたのでしょう。人形の顔を描く専門の面相師もいたそうです。また、目に当時貴重だったガラスを使用したものもあります。

 ここにコレクションされた押絵の一体一体には、細部に至る手仕事の正確さ・表情の豊かさはもちろん、遊び心がたくさん詰まっており、作り手たちの技術・感性には本当に驚かされます。時の流れる速さは今も昔も変わりません。しかし、この押絵を見ていると、昔横手に流れていたゆっくりとした時間が確かに感じられるのです。皆様もぜひ、かつての横手にちょっと寄り道してみて下さい。


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